自己満足な日記or備忘録 akayamaqueen   

くだらないけど笑える日常がいい。  

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会いたい人 忘れない

認知症になっても、会いたい人との思い出の場所だから覚えている?
と、そんな美談を勝手に作ってみた。

私がヘルパーの仕事を初めて数か月たったころからその方の所に行くことになった。
私の母より少し若い女性でご主人は他界していて一人暮らし。
娘二人はそれぞれ結婚して別のところで暮らしている。


私が行くようになった頃は本当に認知症なのかな。
時々、同じ話を何度も何度もしていたが、その程度だった。
私もヘルパー初心者だから、こんなものかと、実際よくわからなかった。

その後、認知症の症状は進んでいった。
同じ本を何冊も買っていたり
訪問すると下半身は何も着ていなかったり、
トイレ以外のところでしていたり、
冷凍焼きおにぎりを一日で2袋全部食べていたり・・・・


そして、ヘルパーが訪問すると家にいないことが何度か続くようになった。
ヘルパーが来る曜日、時間を完全に分かっていない。
特に、朝から天気の良い日はほぼ出かけてしまっていた。

そういう時はいつも同じ場所に行っている。
初めて不在の時は焦ったが、二度目からは、もうわかっていたので
本人が通る道を通って迎えに行くようになった。
道の途中で会ったり、そこまで行ったり。

その場所というのは、駅の近くの喫茶店だ。
ご主人とよく行っていたそうだ。

認知症になると、いろんなことを忘れてしまうが、
何か特別に覚えている事があるようだ。
その喫茶店までの道とか。
勿論その喫茶店の事も。
なぜ、その場所には行けるのか
私からすれば不思議でたまらない。
下着をつけ忘れるような人が・・・


私が迎えに行くと、

「あ。すいません。」
と申し訳なさそうに謝ってくる。
果たして、私の事は覚えているのだろうか?

認知の症状が進んできてから、その喫茶店に頻繁に行くようになっていた。
忘れてしまう事と、覚えていること、その違いは何なのだろう。

認知症の初期には10個の思い出があったとして、
症状が進むにつれて1つ、また1つと忘れ去られる。
とうとう9忘れて、たった1つになった。
その1つの思い出で頭の中はいっぱいになった。
イメージは最後の1つの思い出が他の思い出を飲み込んでしまった…みたいな。


それが会いたい人・・ご主人との思い出のこの喫茶店だった。
最後まで忘れなかったことだ。


認知症の事はハッキリ言って分からない。
勉強不足だ。
だから、この辺の認識は私の勝手な妄想で
そういう、解釈でも良いのではないか。
なんかいい話?



今週のお題「会いたい人」



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